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ひゅう、と冷たい風が吹いて、リンカは首を竦めた。換気のために開けていた窓を閉め、暖炉に薪を入れ火をおこす。もう、お日様からお月様へのバトンタッチの時間だ。そして、この宿屋に人が集まる、一日で一番賑やかな時。
「――――あら、そろそろ時間かしら」
お客さんを迎える準備を終え、椅子に座って毛糸を手に取る...
【サルビアの娘】赤い花は咲かずとも【ずっとずっと未来のお話】
鞠子