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――何か、聴こえる。
微睡み(まどろみ)からゆっくりと私の意識は引っ張られた。
「ん……」
瞼を少しずつ開いた。目の前にはお父さんとお母さんの大きな顔があった。
その顔はもう涙でぐしゃぐしゃになっていた。
私が瞼を開いたの見て、更に目から涙を溢れさせた。
その姿に、私は間違ったことをしたのだとようや...テノヒラ*4話*
にぃ
……気付けば私は空に浮かんでいた。
正確に言えば、雲に続く見えない階段を一段一段踏みながら空へ向かっていたのだ。
あぁ私は死んだのだ、と何の確証もない確信が私の中にあった。
……人の死なんてあっけないものだと改めて感じた。
君の死でそれを理解していたと思っていたのに。
どこか他人事のように感じていた...テノヒラ*3話*
にぃ
私の過剰な反応に驚いた君は、ふっ、と笑い出した。
そんな君を見て私も思わず笑ってしまっていた。
私たちはそれからすぐに打ち解けてお互いにお互いのことを話した。
ただの自己紹介から始まった会話は、枝から枝へ移るように話は広がり、私たちはその公園でひどく楽しい時間を過ごした。
日が傾いて辺りが赤く染まり...テノヒラ*2話*
にぃ
テノヒラ/wowaka(現実逃避P)
――私は、恋をした。
あれは、淡くて甘い……、けれど炎のように激しくもあり、暖かい恋だった。
今はもう、泡(あぶく)のように消え去ってしまったけれど、まだ君のことを思い出す。
君と初めて会った時も、雲一つない晴天だった。
――哀しく澄み渡る空の向こう側で、君はお...テノヒラ*1話*
にぃ