椎乃

ゆらり　沈んでいく思考
足の先は冷たく凍りついて
溶ける　境界線
どこか　遠く　音が　響く
ほら　逆まわり　時計の針　チクタク
いま　閉ざされた世界で　そっと　眠る
そわり　震える空気
目を開き　重い身体をもたげ　起きる
裂ける　喪失感　
どこか　近く　カラが　割れる...

繋がる配列　流れる信号
渦巻く感情　私が生まれる
あらゆる順列　必然偶然
その束縛から始まった
"形"
繋がる運命　交わる人生
絡まるコードに　前が見えなくて
それでも何とか　もがいて足掻いて
この存在を保っている　
"今も"...

A1）
あちら　こちら　赤い袖を揺らして
誘う(いざなう)　あの桜の木の下　ふたり止まった季節に
A2)
からり　ころり　下駄の音を鳴らして
笑った　小指を絡めて交わした約束は何処へ
B)
花は散りゆき　見る影もなく　緑萌え出で　影を落とした
涙落ちず　雨が落ちるよ　私の代わりに
サビ）...

自分でもどうにかならないかと思う事もある
きっと君にはたくさん迷惑かけてるんだろうな
ごめんね　ありがとう　ありがとう
私は君に何かをあげる事が出来てるかな
君はいつも色んなものをくれるからね
ありがとう　ありがとう　大好きだよ　ありがとう
"人に好かれる私"を繕うのは簡単だけど
私は私を好きになっ...

祈りを捧ぐ指先に
赤に染めぬる解けぬ綾糸
たった一夜の夢に過ぎぬを
夢見続ける私が莫迦か
夜の帳に包まれて
常世の春に灯が灯る
塗りし白粉想いを隠し
幻の如き恋語り
指に絡めし赤き綾糸
貴方を求めて手繰れども...

それは小さく青い花　君の涙でできた花
君は忘れないでと言って　その花を僕に預けた
握りしめた手　こんなに小さかったなんて知らなかったよ
僕は立ち竦んでいる　足もとには青い花
結局君に好きと言えないまま
言葉は空へ
それは流れる小さな川　僕の涙でできた川
君は忘れないでと言ったけど　言われなくても忘れ...

僕らは探している
時が緩やかに流れる場所を
あたたかい光の中で
二人きりで眠れる場所を
あるはずのない場所だって
どうにもならない流れだって
君の手を握ったときからわかっていたんだ
それでも探そうとして　足掻き続ける
僕は莫迦なんだろうか
恋しくて　乞いしくて...

「ネムリ」
握った手から伝わる
君の刹那の願い
ぼくも同じ想い抱いていた
―一緒にいたい　このまま
　　　　　　　できるなら　永遠に―
叶えられない願い
さよなら
ぼくたちのそれは
決して二人の別れを意味するものではなく...