izayato（カガミＰ）の投稿作品一覧

◇白黒反転の世界で鏡像に出会う。液晶画面越しには自分の部屋が映っていた。自分は部屋の向こうのドアから来たのだろうか、あのドアのあたりだけが唯一彩り鮮やかに、床は血（赤）で塗りたくられている、天井は何かの光（緑）が反射している。ドアの下には黒い骨と白い肉が横たわっていた。「あれは僕か？」鏡像に聞く。「...

澄んだ水が流れてゆく
あちらとこちらを隔てる河
延々と行う石積み
完成しないはずの石の塔
途中までできている塔を
いつも崩すのは鬼たちで
そのなかで一人だけ
隠れるようにしている人
誰かしら　あの人は
なぜここに　逃げてきたんだ...

もう　あれから何日がたち
あれから何ヶ月たっただろう
君がいなくなってから
やっぱり少し寂しいよ
あの時はよかったなんて
ありきたりな言い回しだけど
ちょっとはこのことばに共感する
だって　君はもういないから
疲れたとか　もう意味がないとか
君らが去る理由は様々だね...

水に落ちる、夢の中で目覚めた
ガラスの色の水、
あらゆる色を通して、どこまでも透明な色
視界に移る、緑に目を向ければ
枝葉広げた樹木、
光を受け鮮やかに、限りない緑の色
水槽のような街、沈み、浮かび
日の光、空の色、
透明な水、深緑の樹
灰色の街は水底に、光り、揺らぎ...

暗い　暗い　土の底で
僕は　一人　眠っている
どこからともなく聞こえてくるのは
不思議な響きの水音
あなたとまた逢える日を
ずっと待ち続けている
あなたが僕に残した
記憶を胸に抱いて
深い　深い　土の底で
あなたも　ずっと　眠っている...