タグ「巡音ルカ」のついた投稿作品一覧(12)
-
官能的な話をしよう
白いルージュの三日月
淋しがり屋の胸の内
どうせ明日には終わるのさ
浴槽に無様に横たわって
ビジネスライクな呼吸で同調
古典の教科書に載った口説き文句で
お月見なんざ趣味が悪い
ああ いや うん ああ
星さえ騙くらかして...酩酊
-
夜を嬲っても
落ちた参列 君だけ置いて
飲み下した月が喉に落ちていく──
残光 残響 一瞬の閃光
朝靄に連れ去られた可惜夜の涙
燻り出された灰色に
埋もれた春の肋骨
蜉蝣は吐いた 「浮舟は何処に?」
空蝉の流れに逆らい
雲漏れ月の日脚を駆けて...月籠り
-
装填 既に済んだかい
お祈り とっくに捧げたかい
組んだ両手で握った銃で
夜中の鐘を打ち鳴らす
だまくらかした唇に
銃弾の雨が降るでしょう
烏も黙る路地裏で
弾丸だけがお喋りに
毎夜のように朝が来て
毎朝の如く夜(よ)が迎え...耳を削ぐ
-
Hijackingしようよ Saturday Night
君の瞳の中で踊りたい
ロマンスぶった夜にBye
ほら今日も 月は眠らない
意味深に伏せた睫毛に
共犯者の面した街灯
欲ぶった横顔に焦らして
指先クロスしてサヨナラ
よくある話みたいな
明け透けな舌で語らないで...花遊火
-
君が触れたものぜんぶ輝いて見えた僕の目を笑うかい
君が想うものぜんぶ煌めいて見える僕の心を笑うかい
君が愛するものぜんぶ愛おしく思う僕の愛を笑うかい
笑うかい 笑うかい?
笑ってくれたら それでいいよ 僕は
むせ返る静寂も茹だるほどの淋しさも
透明な装いに春はいつか身を窶して
甘やかな爪先が夜のどこ...孤り言
-
頽廃した肺に
双眼(ひとみ)には翳付き
鮮やかな獣は踊る
燃え盛る修羅の指
命に針を落として
廻る 廻る三日月
嗚呼 さらば暖冬よ 刻(とき)は忘れじ
淡々吐き出す歓楽も
世には果にて露と化す
月に水注げども...青星歓楽街
-
君の隣で
一歩踏み出すための勇気を
二歩踏み出すための強気を
三歩踏み出すための根気を
君の隣で
五歩踏み出し始めた意気を
十歩踏み出した頃の陽気を
百歩歩いていたら消えた弱気も
君の隣で
千歩歩き続けて行ける呑気も...はじめのいっぽ
-
ぼくの言葉は借り物です
日本語はぼくのものじゃないし
言葉はぼくのものじゃない
いつも有り難くお借りしてます
これからも何卒よろしくどうぞ
君のことが好きだって
言いたくないから抱きしめた
借り物の言葉で生きてます
下手くそに集めたガラクタ風情
今日も君に話しかける...言葉は借り物
-
幸福なあなたよ 死んでくれ
ただ君の胸にある生が
悲痛に踏み躙られることがないように
どうかあなた 幸福なあなたよ
幸せなままに 死んでくれ
平穏のままに 死んでくれ
微笑みとともに 死んでくれ
僕の隣で死んでくれ
幸せだと言ってくれるなら
どうかあなた 愛しいあなたよ...幸福な君よ、死んでくれ
-
脳細胞は諦めました
有象無象の夢想は許そう
ただし時計の針は戻そう
そういう規約を立てておこう
愛しさと食欲は似ています
悲しさと微睡みは似ています
瘡蓋と口付けが似ているように
空腹と淋しさは似ているように
僕は死ぬように眠りに就きたい
将来像は尽き果てました...きれいなせかい
-
大好き だから お別れをしよう
大丈夫 すぐに発つよ
お迎えが来たんだ 明日の向こう側から
今日から君が僕の心臓になる
春の陽射しのように 君を愛してもいいかな
夏の木漏れ日のように 君を愛してもいいかな
秋の日向のように 君を愛してもいいかな
冬の月光のように 君を愛してもいいかな
愛してる だか...お別れのうた
-
1.
彷徨った夜も いつか 乱暴な朝を迎え
暴力的な光の指に誘われるときが来て
昨夜読んだ悲しい本の 結末を反芻したりして
ああ
明日が来なければそれでいいと 蹲った闇は去り 僕は大人になった
月に指かけるように かけられるように 引き留めた夜は終わる
この眼はひとりだと くだらないことばかり眺めた...我儘