作品一覧
その他
オンガク
ある日赤い鳥が高く舞い上がった それは完璧な青い空にできた傷 神々の額に刻まれた印 私は叫ぶ 「なぜ貴方は行ってしまうのだ 祈るものを棄て、何処へ行こうというのか!」 ある夜白い馬が疾く駆け去った それは完璧な藍の空を流れた涙 神々の頬に刻まれた印 私は嘆く...
刻印
凍った夜の中で私は夢を見る あの遠い昔の 見えない糸の なれた悲しみの 物狂おしい胸を掻き毟られるような切なさの 美しい不快な視線が咲いている 二つの顔を持った女が微笑む その仄めかしく上がった口の端に あざけりの色が見えた あれは夢よりも夢...
憂夢