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「私とて、好きでこのような事を行っているのではないのです」
薄暗い森の奥、大きな広葉樹に背中を預けるように、背を丸めて座り込んだ灰色狼はそういいました。
彼は、自身の腕につかまれた、白い棒きれを見て少しだけため息をつきます。
「見てください、これは元々そこの川の畔で見かけた白山羊の物です、見...灰色狼と白黒兎
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彼女が目を覚ましたのは、温かなベッドの上で無ければましてや冷たい床の上でも無く、上等な皮が張られた椅子の上でした。
彼女の目を覚ましたのは、愛らしい小鳥の囀りでなければましてや薄汚れた罵声でも無く、食器が奏でる涼やかな音色でした。
目を開けるまでの僅かな瞬間、丹念に切り分けられ散った意識を集め...ユメユメアイソーポス