シレイ

「スイミン」
カナシミを心の真ん中に置いたなら
詰めた息の吐き方を忘れて途方に暮れました
アイタイの輪郭を言葉でなぞったなら
会えないのを知っている自分が無口に嗤いました
いつになったら会えますか？
わたしが触れられる確かな言葉をください
あなたの顔、声が浮かばなくなる前に
世界を閉じて眠りましょう...

あなたの世界に　わたしはいますか
願わくばそっと　そこにいさせて
自分勝手な思い込みで
解ってくれないんだと拗ねて
解り合おうともしなかった癖に
「もういいや」って一人で諦めた
「見えなくてもいいの」
「聞こえなくてもいいの」
「私が知っていたらもうそれで」
嘘ばかりを重ねた...

「ほらね　ゆけるよ」
ぼくは笑って　今きみに言える
そうだ　ぼくは
どこまで道が続いても　ずっと
駆けていくと決めた
青い空を見下ろして　ぼくら寝そべって過ごす
昼下がりの世界　今にも落ちそうだ
さかさまの空に　飛び込んでゆけたのなら
しあわせになれるのかな
鳥が羽ばたいて空を斬った...

うつくしい岸辺で
きみはただそこに在る
うたも、ことばも無い岸辺に
笑みも、涙も浮かべずに
きみは在る
汚れのないきみの隣に寄り添いたくて
綺麗になろう、綺麗になろうとする
ぼくのなかの汚いものを
すべて捨てられたら
なんて、夢をみる...

君を見つけた瞬間　周囲（まわり）の奴らが
僕を差し置いて君へと駆けてく
そんな夢を見た
寝覚めは余りよろしくはないけれども
でも　今日はたぶん良い日曜日になる
そんな予感だよ
朝の光
ドアを開けたら君がそこにいて
「おはよう」を交わすんだ
どこにでもあるような幸せ...

流れてく人の群れに　感傷的になってしまうの
「この街は　私なしでも　変わらずに在り続けるよね」
笑みを浮かべれば　涙、アスファルトに吸い込まれ
誰かに必要とされたくて
そうしたら生きてること　赦される気がして
本当は解ってる　ただ寂しいだけ
誰かに傍にいてほしいんだよ
流れてく人の群れに　自分の在り...