立花

きっかけなんて何もない
色んな色が積もり積もって混ざり混ざって
元の私（色）が見えなくなった
『感じたことを表せばいい』
『我慢しないで伝えればいい』
そんなことできるわけないよ
だって何も感じないもの
だって伝える言葉がないもの
もう嫌だよ
メロンソーダの炭酸みたいに...

二人静かな時が流れていく
沈黙がいいなんて 誰が言ったのだろう
外は雨 私の心も雨模様
「君は一人でも平気」
なんて残酷な言葉なの
貴方の見ている未来に 私は居ない
貴方の笑顔が眩しくて
隠しきれない幼さが
顔を出す
ねえお願い 私まだ...

ずっと待ちわびていた 貴方こそがきっと
深い青の 隙間に身を潜め 見ていたの
あの笑顔はどのような声を
あの瞳はどのような憂いを
総て 知りたかった
さあ手をとって 素敵な人
ゆらりふわり 踊りましょう
痛む脚 軋む躰 知らぬふり
さあ手をとって 素敵な人
泡となって消えるまえに...

ねえ 私のことは好きですか？
深い深い沼の淵に居る 私は問うた
動けない私を救おうと
してる貴方を知っているのに
何を望んで居るのだろう
永くないことを 感じて居る身で
「お願いずっと 私を忘れないで」
最期に私 貴方を縛りました
いちばん いちばん 狡い方法で
きっとこれは呪いでしょう...

冷たい雨が 瞬く星たちを
さらに煌めかす そんな夜
不意に寂しくなって 君の名を呼んだ
硝子のような輝きが 滲んで揺れる
流れる星は 何処へ向かうのだろう
きっと 君は そっと 夢を 照らし続けてくれるから
だから 今だけは 君のそばで 静かに眠らせて
星の願いがいつか 叶う日まで
一人になんてなら...

校門の前で 君が欠伸する
猫のようなその仕草と
潤んだ瞳に 心奪われたの
どこからかひゅるり 噂が舞い込む
知りたくない その事実は
君にはもう 大事な人がいる
「おはよう」
何てことない挨拶
この一言が どうしても
口に出せなくて...

こんな駆け引き 無駄なだけと
挑む様な微笑み浮かべて 猫の様に擦り寄る
その仕草 灼きつく程に美しい
どんな夢を見たい？
このまま 朝まで抱かせて
溶かし合おうよ
もう戻れない 程にもっと
誰にも秘密のままで
赤い 赤い 唇で溶かされて
甘く 甘く 絡みつく rouge...

透けるような青空に
私 溶けてしまいそう
広い海に ただ 漂う海月と
なんだか 似ているね
あなたに会いたい 何処にいるの？
探す力さえ もう絶えてしまって
あなたに逢いたい 何処にいるの？
このまま漂えば いつか
会えるのかなぁ
鮮やかな 夕焼けに...