永遠の持ち合わせ
贅沢は言えぬこと
置いていかないで、笑顔よ滲まないで
チャイムが鳴るんだ
今日もまた畳まっていく鞄、律儀なのどうして
帰り路心は重いから、引き出しに置いていくね
恋も青春も怠惰も、ホール満員で総仕舞い
がらんどうの部屋はどこまでも
遺すのは野暮なこと
名の付いた今日を見る
鮮やかなパッケージング、どうぞ買い取って
永遠の持ち合わせ
あるぶんで恋をする、誰でも良いわ
そう対価は、積もったjpgと取り敢えずのmp4
居残る私にほんとうは要らない
もしかして、私こそ
廊下で気張った顔の芝居
窓辺に佇む季節は淑やか
あなただけが全て知っている
巡るのはあなただけ
彼が言うならばゴールライン
換えてお馴染みスタートライン
区切るのが上手ね
それだけで、それこそが
言いかけた世迷言
気が付いてそっぽを向く
私の短針は毎時3分半進んでいく
私だけ終業のチャイムは鳴らぬまま
帰っていく
門は閉じていないと、しかと知る頃
永遠は目眩く
茫として不意に拾い上げた青春像
思えば滑稽ね
あるだけの持ち合わせ
持ち帰る準備を始めなきゃ
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