一話
<OP>
テレビ「三月一三日、今日の占い!牡羊座座のあなた!今日はモヤモヤした一日になりそう。モヤモヤした気持ちを抜けるにはもやしを食べるといいよ!」
芽蕗(いつもの占い番組が流れている。いつも通りの朝の食卓。今ここにいるのは私と妹の姫の二人だけ。)
姫「今日の牡羊座、十一位だった、」
芽蕗(順位が低くて落ち込んでいるが、妹の姫は朝から元気だ。)
芽蕗(占いなんて信じてないのになんでいつもテレビついてるんだろう。姫が好きならいいや。)
姫「お姉ちゃんの山羊座は2位だって!『恋愛運に恵まれ、思いがけない出会いがあるでしょう』だって」
芽蕗(元気なのはいいけど。もうちょっと落ち着いて。占いなんだから。
芽蕗(いつも通りの学校。普通に生活していて何も困らなかった。それにこのまま続いていくものだと思っていた。)
芽蕗(今日はもう寝ようか。私はベッドで横になりソーシャルネットワークアプリ《SENN》のクラスのグループトークをしている。)
ゆき『今日の課題やったー?』『あれ今日中に終わるかどうか…』
さくら『私は終わったよー!』
ゆき『終わらせないと先生怖いもんねー』
芽蕗(げ!忘れてきた。学校に取りに行こう…)
芽蕗(私は自転車にまたがり学校に向かった。公園に大きな影を見つける。木の陰からそれを見ている。中から人が出てきたと思ったらすぐに浮上して消えていった。
芽蕗(なんだったんだろう)
勇「-------?」
芽蕗「へ?」(振り返ったけど誰もいなかった。正面を向きなおすとそこには少年が立っていた。)
芽蕗「あなたは?」
勇「-------」
芽蕗(何を言ってるのかわからない。)
勇「-------------------」
芽蕗(なんなんだろうこの子。)
鵙「-----!」
芽蕗(別の人の声…)
鵙「----------!」
芽蕗(軽く怒ってる。)
芽蕗「あのー。あなたは?」
鵙「--!-----⁉︎」
鵙「チキュウノ カタデスカ?」
芽蕗(かたこと。)「…はい」
鵙「えーっと益川鵙です。こいつの姉です。こいつは勇。えっと地球ではなんていうかわからないけど遠い星から地球観光に来ました!」
芽蕗(宇宙人?てか普通に喋れるじゃん。)
鵙「今学校ながーい休みで観光でも行こうかってなって地球にきてみたんですー!で言葉勉強したんです。これはしてないけど」
芽蕗(弟さんこれ扱いなんだ)
芽蕗「でもなんか宇宙人って感じしないなー」
鵙「外見は変わらないですもんね。でも友達によるとアレゼンルブの方が治癒力とか筋力が強いらしいですよー」
芽蕗「アレゼンルブ?」
鵙「私たちの星の私たちの呼び方です。Haresemlbes」
芽蕗「そうなんですかー」
鵙「お願いがあります」
芽蕗(姉の方がかしこまった感じでいってきた。)
芽蕗「えっと?」
芽蕗(お願い?宇宙人のお願いってもしかして)
鵙「宿を探しています。もしよかったら泊めてください」
芽蕗(なんかすごい現実的なお願い。)
芽蕗「母に確認してみないと…」
芽蕗(って言ったけど姉が目をキラキラさせてこっちを見てきた。)
芽蕗(しょうがないなーでも一応連絡しておこう。友達が来たってことにして、)
芽蕗(母は明後日まで帰ってこない。だから少しくらいいいだろう。)
芽蕗(家に帰ると妹の姫が目をこすりながら出てきた。)
姫「後ろの人たち誰?」
芽蕗(まあ当たり前だよな。)
芽蕗「この人たちは宇宙人で…」
芽蕗(宇宙人でなんなんだ?)
姫「…それでさー…」
芽蕗(なんか三人だけでもう話始めちゃてた。姫には誰でも関係ないのか。)
芽蕗(とは言っても弟さんは話せなかった。でも彼らには読心術があるようで相手の思ってることが目を見ればわかるらしい。)
芽蕗(気づくと朝になっていた。学校にいかなければ。姫はー寝ちゃってる。しょうがないか。例の二人は準備をしていた。)
鵙「本当に助かりました。またよかったら。」
芽蕗(そう言うと2人は出ていちゃった。よくわからないけど故郷の星のお土産を置いて。)
芽蕗(なんだったんだろう?まあいいや。私は身支度をして学校に向かった。宿題やり忘れた。昨日取りに行ったのに、徹夜で話しててやる暇がなかった。また怒られるな…。)
ゆき「おはよ!」
芽蕗「もーびっくりするなー!朝から驚かさないでよー!」
さくら「本当にゆきは元気よねー」
芽蕗「ってさくらもいつからそこに⁉︎」
さくら「気づかなかった?ここにいたけど」
ゆき「芽蕗がボーッとしてばかりいるからじゃない?」
芽蕗(確かにそうかもしれない。今日の私は変だ。なんでだろう?)
芽蕗(いつも通りの学校。そして帰宅。途中には宇宙人…ん?)
芽蕗(えーっと勇さんだっけ)
勇「←うん。そうだよー←」
勇「←どこ行ってきたのー?←」
芽蕗「ごめんわからない。」
芽蕗(一人だなって思ってたらお姉さんが来た。そして連れて行かれた。まあいいや。家に帰ろう。)
芽蕗「ただいまー」
姫「おかえりお姉ちゃん」
鵙「お邪魔していまーす」
勇「←お邪魔してますー←」
芽蕗(ドアを開けたら姫がテレビゲームをしていた。なぜか三人で。)
芽蕗(なんでこんなに打ち解けてるんだ?まだあって二日目なのに。)
鵙「そういえば泊まるとこ見つけられましたー!」
芽蕗(よかった)
<玄関の開く音>
芽蕗(誰だろう?そう言えば今日は母が帰ってくる日だった。すっかり忘れてた。)
姫「おかえりーお母さん。」
芽蕗(部屋についた母は驚いたが先にお姉さんが挨拶をした。)
鵙「お邪魔してます。私は益川鵙って言います。でこっちが弟の勇。芽蕗の友達です。」
実子「あー。よろしくね。母の実子です。」
芽蕗(半分疲れて帰ってきてるからなんか返事が適当だけどいいや。)
芽蕗(母は寝室に行ってしまった。まあそれもいつも通りのことなのだが。)
<芽蕗
観光案内は私たちがした。予定では二週間だったので回れるところも限られていた。しかしどこにいっても彼らにとっては観光になるようで興味津々で街を見ていた。それに勇さんの言葉も少しは上達していった。
時間が過ぎるのは早かった。そして二人は帰っていった。
また始まる何もない日常。別に不満じゃなかった。なんの問題もなく日々が過ぎていく、私は幸せではないか。
何が物足りないと言うんだ。>
ゆき「おーい授業終わったよー」
芽蕗「へ⁉︎」
ゆき「芽蕗大丈夫?さっきからぼーっとしてる。
芽蕗(教室にはゆきと私の二人だけになってしまった。)
ゆき「帰ろ?」
芽蕗「…うん」
ゆき「そっち行き止まり」
芽蕗「え?」
芽蕗(気づくと逆に曲がっていた。)
ゆき「やっぱりなんか変だよ。何があったん?」
芽蕗「……分からない」
<芽蕗
勇たちが帰って2ヶ月がたった頃だろうか。ふとベッドの陰からあの時4人で撮った写真を見つけた。
勇。惑星アレゼンルブから来たインベーダー。今まで意識したことがなかった、でも彼は私の心に住み着いた私の心のインベーダーだったんだ。>
<挿入歌> 私の心のインベーダー
芽蕗(自分の部屋でそう考えていると部屋の窓を叩く音がした。)
芽蕗(カーテンを開けてみると勇さんがぶら下がっていた 。)
芽蕗「勇さん?」
芽蕗(私は窓を開けた。)
勇「ぼく 勉強した。ことば」
芽蕗(若干変だけどいいや。)
勇「ぼく もっといたいこのほし。」
芽蕗(そんなこと私に言われても。)
勇「あねき 僕 話した」
>回想
勇「←この星にもっといたい。←」
鵙「←一回は帰らなきゃいけないよ?←」
勇「←それはわかってる。そのあともう一回戻ってきたい←」
鵙「←なんで?←」
勇「←それは…もうちょっと…←」
鵙「←それならちゃんとどこに泊まるか、探しなさい←」
勇「←いいの?←」
鵙「←見つけれたら考えてあげる←」
>回想終わり
勇「-----って」
芽蕗「さっぱり分からなかった」
{着信音}
芽蕗(携帯が鳴った。知らない人からだ。)
鵙『鵙です。勇はここに住みたいって言っています。』
芽蕗(そういうこと)
勇「ぼく すみたい ここ。」
芽蕗(いきなりすぎて何を言っていいかわからなくなった。)
芽蕗「なんでうちなの?」
勇「ほか わからない どこ いいか」
芽蕗(その目はなぜか明るかった。)
嘘だってわかった。わざわざ地球まで来たんだ。でも、だからこそ断れなかった。
芽蕗「…わかったわ。でも…一つだけ聞かせて。」
勇「ん?」
芽蕗「なんでうちに来ようと思ったの?行くところがないって嘘でしょ。」案外勇は嘘が苦手なのかもしれない。
勇「一緒にいたいから。」
芽蕗(さっきまで助詞が抜けてたのにはっきりと言った。きっと何回も練習したんだろう。)
芽蕗(それに分かってた。そう言うことを答えると思った。)
<芽蕗
昔から地球人は宇宙に未知の力があると見上げて挑んできた。宇宙には地球人みんなの夢があるんだ。
今は宇宙開拓の時代。地球人の舞台は宇宙にまで広がった。
でもまだ一般人は宇宙には行けない。まだ夢の話だ。そんな私たちの夢の彼方から来た宇宙人、勇。
その勇が私に恋をした。
恋する宇宙人、この小さな恋がたくさんの犠牲を出すことになるとは私を含めてまだ誰も知らなかったのです。>
<ED>
芽蕗「もうすぐ夏だし今度花火でも観に行こうか!」
勇「それは なに?」
芽蕗「花火知らないの?」
勇「知らない」
芽蕗「まあ見ればわかるよ」
勇「うん」
姫「次回 恋する宇宙人 二話!」
芽蕗「サブタイトルつけようよ」
姫「それ監督に言って?」
恋する宇宙人 ボイスドラマ 1話
恋する宇宙人のボイスドラマ台本一話です。
オープニングテーマが未定なのとまだ役が足りないです。
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