ふと目覚めた夜
身体は廃れ果てている
虚ろな目で眺めている
白い尾を振り笑う顔が
朱く火照り 頬を撫でる
なぜかな
我らの路を遮る者は
玉藻前の火を受けるがいい
不気味に光る眼
心を見透かされそうで
紅葉の葉を胸につけて
笑うその顔は美しく
化け物でも心がある
分かってる…
孤独の闇を掻き消す為に
征む(すすむ)は夜道 影を纏えよ
許されはしない 禁断の恋は
己を燃やす 火と成り果てる
悲しみの矢をこの身に受けて
貴方の世へと帰す時が来た
炎が包む夜空の下に
再び独り また目を閉じる
行く当てのない彼女の許へ
貴方を送る また逢えるかな…
「愛してました」
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