攫えばいいよ inst

攫えばいいよ

BPM=210

ぼうと東に昇る人生が繰り返し輪を刻む
その度飽和した朝を吸い込んで

雨上がり 花を避けて森を歩くんだ
ただ ただ痕を伝うばかり
瘡蓋が綴じてくれないの
弄れば弄るほど膿んでくんだ

この雑巾みたいな手じゃ
何も掴めないな

最低どんなもんよ
「君らしい」なんて詭弁だろ
夏の日々はもういいだろ
揺れて透けて溶けて消えてばいばいだ

大体こんなもんさ
脈打つ世界が憎いんだろ？
木漏れ日射す　もういいから
橙に染める小聡明い風が吹く

気が付けばもう数年 ぼうと円を描いてた
今日の待ち合わせ 何処でもいいの
なんだって もう朱くなる頃
折角だから遠くに往こう
泥を履いた肢で

いつまでも 喉に痞えた自明は　　
生に縋るほど 碌でもないな
片割れ 嗚呼 鮮紅色

手に取るほどわからない
唇を噛んで日が暮れる
夏の日々はもうないから
揺れて透けて溶けて消えてばいばいだ

大体こんなもんだろ
自分が一番知ってんだ
黙っていた　わかってたんだよ
鮮紅が浮かぶ　雨が降りそうだ

等身大を越えてゆく 目に映る全部薙いで
呼吸を切らして秘密基地で待ち合せたい
髪を短く切ったことも 言ってやれないけど
ただ ただ 変わらず　君についていくよ

泣いてるだけが特技さ
「君らしい」なんて面倒だ
理想に踏み倒されてしまうよりは
幾らか上等かい？

ねぇいつまでこんな僕に
歌を謳ってくれんだろう
夏の日々は　もういいから
人生を染める真っ赤な夏がある

月見月　 誰そ彼に浮かぶ
ふわりふわり　照らすは僕かい？
逃げはしないから どうか 思い通り刺して 刺してよ
怖がらないから いいよ 僕も呑み込んでしまえ
また 全部をリセットして　ここに花を咲かせたら
それまで少し眠らしてよ