昨日の夜に降った雨は
アスファルトを匂わせて
不器用な僕たちに
夏の訪れを告げてゆく
窓際の紙が舞った
視界に散らばる白と白
その瞬間に僕の心は
あの日へワープする
愛してあげるしかないじゃない
蝉時雨が搔き消したメーデーを
すぐに拾って 夏が過ぎていく
叫び続けるしかないじゃない
Y字路で今日も君とさよならさ
すぐに転んで傷が増えていくだけ
星の夜 君にもらった
コインが輝いた
すぐに僕はそれを無くした
君に言えなかった
泣き続けるその訳を
誰も知ろうとしないけど
少なくともこの夜は
今しかないと囁いた
走り続けるしかないじゃない
西へ 西へ まだ夏が続くように
何度呼吸をしても苦しくて
手を握ってあげるしかないじゃない
8月の憂いの川に流されないように
深さ知らない青に溶けて
夏のせいじゃない、君のせいだよ
その横顔が僕は好きだった
すべて終わって夏が過ぎていく
愛してあげるしかないじゃない
僕と君と泣いている夏の青年を
手と手握って 夏が過ぎていく
愛してあげるしかないじゃない
夏の空に溶けた もういないはずの
君を探して 夏が過ぎていくだけ
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