闇色夢幻

A
苦し紛れのあの微笑に
あなたは何を見たのでしょう
移ろい渡る風の色
夕闇滲む薔薇の園
たった二人で佇んで
A’
繋いだ手のひら　伝わる熱と
怯えたように潤んだ瞳
幼いあなたを抱き締めて
痛みを隠し笑うだけ
私は愚かなマリオネット
B
豪奢に着飾る楽園を
憎んでいたのは誰なのか
泡沫みたいな悦楽に
溺れたままのエトランゼ
S
痺れた手足に広がる痛み
悲しみの理由もわからないまま
ただあなたの幸せだけを
願っていただけだったのに
S’
闇に溶けた嘘　手を取って
優しい仮面が偽りだと知っても
それでもここを逃げ出したくて
信じた言葉は　悪魔の囁き

A
棘だらけの檻の中で
小さなあなた　手を握り締め
私が歩く茨道
深紅の花散る足跡を
もう一度だけ振り返る
B
宵闇に染まった楽園を
赤い薔薇で染めていくだけ
ぽつりぽつりと火が灯り
爪弾く音が谺する
C
黄金の光が照らす「楽園」
踊りながら囁く紳士淑女　皆々様
追いすがる影から逃げられずに
私が振るう真っ赤な薔薇

囚われた小鳥の歌声（レクイエム）
振り向いた先に　あなたがいたなんて
S
あなたと二人で逃げ出して
歪んだこの世界　壊したかった
騙された私が愚かでも
どうかあなたの幸せを
S’
『闇に溶けた嘘　手を取って』
『優しい仮面が偽りだと知りながら』
『私のために壊れた姉（ひと）よ』
『私はこの場所で待ち続けるわ』

『囁く悪魔の声　私は薔薇を振りかざす』

-報復の刻を-