幾重にも重なった
あなたへの愛を織り
あたしは月へと還るのです
嘘をついて側にいることなど
到底できないと分かっているから
いつかきっと
心に決めた人と
一緒になると
幼い頃は思い描いた
昨日の事のような
遠い遠い昔
あたしは老いることも
飽きられることもないけれど
孤独を分け合うことは
一生できない
あなたに初めて貰った贈り物だけは
どうかずっと側にいて
手繰り寄せた大きな手
あたしはあなたの指を
触るのが大好きで
子供みたいな変な癖を
あなたは可愛いって言ってくれた
いつもずっと
心にちゃんと触れてくれた
一緒になれないから
簡単には「愛してる」言えなかったの
あたしはあなたのところへ
帰ることも約束を結ぶことも
何もできないけれど
この優しかった思い出は
せめて残してさよならって
言わせてください
つれない態度をして
あなたを困らせて
それでもいつか離れてしまうことが
怖いと思うあたしを
あなたは一度も責めなかった
あたしは老いることも
飽きられることもないけれど
孤独を分け合うことは
一生できない
あなたはそれを出逢ったときから
分かっていたのね
毎日を手紙をくれたこと
声を聞けなくても
逢えば沢山声を聞かせてくれたこと
全て小さな星の煌めきに代えて
あなたに贈るわ
今夜あたしは月に還ります
こぼれた涙は流星
どうか眠るあなたの側に届いて
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