効率革命が、世界を変える

かつて、最初の頃の蒸気機関は、ピストンを毎回往復させるために、せっかく熱して膨張させた蒸気をわざわざその都度冷やして収縮させることで動かしていました。燃料の持つエネルギーのうち、動力に変わる率は1%未満というありさまでした。
当時の技術では、高温高圧の蒸気を受けて高速で動くピストンや、それを支えるシリンダーを作れなかったのです。

かつて、過去の音楽業界が、社会に広く聴かせることができたのは、膨大な時間とコストをかけて音楽教育を受け、訓練を続けてきたデビュー志望者の人数のうち例外的にごくわずかな人の音楽のみでした。
それ以外の、ほとんどの人の作った音楽は、ほとんど聴かれることもなく、死蔵されるのみでした。
当時の技術では、簡単・安価に音楽、特にボーカルのある歌を作って、多くの不特定の人に聴かせることが、できなかったのです。

1769年から改良が続けられたジェームズ・ワットの新型蒸気機関では、蒸気を高温のまま利用できるような、高温高圧の蒸気を受けて高速で動くピストンや、それを支えるシリンダーが次第に使えるようになり、エネルギー効率が革命的に向上しました。たゆまぬ改善の末、鉄道用など特に経済性の求められる分野では、燃料の持つエネルギーのうち、動力に変わる率が10%に迫るものもあらわれました。
大きな動力が便利に利用できるようになり、産業革命・資本主義社会化が、世界を大きく変えていきました。

20世紀後半から続けられた、コンピューター・通信・音楽作成ソフト動画サイト・作曲ガイドメディアなどの発明・改良の上に、21世紀に入ると2007年登場の「VOCALOID 初音ミク」を筆頭とした、ボーカル合成システムが、便利に利用できるようになり、特にボーカルのある歌の作曲・音楽公開の効率が革命的に向上しました。わかりやすいガイド本のおかげで音楽を作れる人も激増し、その誰もが簡単・安価に、自分の音楽、特にボーカルのある歌を、効果的な映像とともに、多くの不特定の人に聴かせることができるようになりました。
オリジナルメディア創作文化が、世界文化を大きく変え初めているのです。

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効率革命が、世界を変える

最近私が考えている、VOCALOIDの社会的意義について。

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投稿日:2012/10/21 21:24:32

文字数:907文字

カテゴリ:その他

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