「あっこ見て!」
「村の人らが集まって神頼みしてんで」
「めっちゃ大変なんやろな。今年もようさん、死んだらしいし。ほら」
「自分らの平和を願って」
「今夜は誰に白羽の矢が立つんやろな」
選ばれた命は神に捧げられ
置いてかれた魂は還る場所がなくなって
行き場を失い、ただ、ここで
踊っている
「明日生きてんのかわからんのを、何とか生きてきた」
「理不尽なことばっかでも、頑張って生きてきた、けど、」
「今こっから見てみると、恐怖に操られて、」
「みんな傀儡みたいやんなぁ」
死を迎えた傀儡はやがて肉体を抜けて
空っぽになって、より、軽やかに踊る
幼い魂は、まだ、ここで
踊っている
「もし神が虚構でしかないのなら、」
「もし私が傀儡でしかないのなら、」
「幕引きまで踊りましょう」
捧げた鼓動と、波の音に合わせて
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