…始まるかもしれない。
交わした初めての言葉は
本当にたわい無いもので、
それでも忘れられないのは
相手があなただったから。
「もう少し、近づいても良い?」
あなたはあたしの手を引いた。
嘘と予防線の先に、あたしは夢を見ていた。
子供だし、知らない世界だし。
でもね夢は所詮「夢」で、あたしすぐに気づいたの。
大人でしょ?あなたが教えてよ。
一番欲しいものだけ手に入らない、「現実」。
例えばあたしから別れを告げたら
あなた、引き止める?
駆け引きなんて苦手だから
目の前のあなたを信じるよ。
「もう少し、そばに居ても良い?」
あなたはあたしを抱きしめた。
不特定多数分のイチ、それでも良いと思っている。
そういうことにしといて、今は。
でもね今は所詮「今」で、どうせすぐに「過去」になる。
そういうことは聞こえないフリして
一番好きな歌に浸れば良いよ、今夜は。
…懲りてないのかもしれない。
誰かの歌じゃ駄目なんだ、あたしの恋なんだから。
でもね恋は所詮「恋」で、いつか「愛」に変わるかも。
子供だし、知らない世界だし。
大人でしょ?あなたが教えてよ。
――――――「現実 (読み:叶わぬ恋)」。
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