
稲穂を育む苗代に咲いた
御空を仰ぎし蒲公英は揺れる
桜舞いそして皐月へと
移ろふ季節に
奏でる草花の音色は
遥かなる日の歌
朝日に揺られて稲穂は歌う
朝露に濡れる露草の花
恋い慕ふ美しい花よ
ふわり ふわり ふわりと
今尚この地に聞こゆるは
遥かなる日の歌
現世に戻りし魂を迎え
生者と死者は一刻を過ごす
彼岸花咲き乱れる頃
稲穂は実りを
今尚 豊穣を運ぶは
遥かなる日の歌
主無き田へと 白き霜降りて
水面は凍てつき 雪は舞い落ちる
しんしん雪は積もりて
永い永い冬を
今尚 告げるはただ一つ
遥かなる日の歌
故郷を発ちて幾年経つでしょう
かの日の景色は健在でせうか
遠き故郷の父よ母よ
お元気でいますか?
今尚 この胸に残るは
数多の面影
遥かなる日の歌
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