遠い昔のこと　それはそれは美しい

歌声を持っていた　ひとりの少女がいた

彼女はいつも　独りで歌ってた

男に出会うまでは

「君の声は美しい」そう言うと男は続けた

「世界中の人　君なら癒せる　救えるだろう」

私は何のために歌う？　歌う？

ただその言葉だけを信じて

私が必要とされてるならばと

そう思い　手をとった

遠い昔のこと　歌声ひとつで

世界を魅了した　ひとりの少女がいた

誰からも愛され　まさに歌姫だった

そのときが来るまで

「君の歌は素晴らしい」そう皆が讃えてくれる

居場所を見つけた　もうこの場所から離れたくはない

私は何のために歌う？　歌う？

ただその言葉だけを信じて

ひたむきに歌い続けた声は

変わり果て　消えてしまった

私は何のために歌う？　歌う？

男は少女から去っていった

私を必要な人はもういないの？

皆離れていった

私は何のために歌う？　歌う？

愛されたのは声だけだった

偽りの愛に生きた少女は

何もかも　失った

遠い昔のこと　操り人形のように

踊らされ続けた　ひとりの少女がいた