ナイトウォーカー - 作詞／作曲／編曲　サンペイタツロウ

零時　細い月が針のようにとがる　
闇に輝く不眠の街へ
ぜんぶ夢か或いは妄想または事実　
さまよい歩く　あてなく

何を探してるのかだなんて　もうとうに忘れた
急くことなくのらりくらりと　風に流れるように
音もなくゆれる　想いのかたちは崩れたまま　
いつかは消えてしまうのだろう

未熟な恋情があった　仄甘い熱だった
手を伸ばしても二度と届かない　他愛もないことだと笑う
さよならをひとりで言うの　涙はもう流れない
胸にちょっとだけ残る苦みは　青白い煙にして吐いて
ずっと歩いてゆくの　心染める夜が明けるまで

ああもう忌々しいの　ちょっとはいい子にして　
あたしのもんだろ　言うこと聞けよ
なんてどやしてみたって　泣いて喚くきかんぼう　
もう仕方ないから　抱きしめて

こらえきれない悲しみも　どこかに失くしちゃった
壊れちまいそうだったはずなんだ　でももうどこにもなくて
癒えかけた傷に指先で触れる鈍い痛みも　
いつかは消えてしまうのだろう

秘密はいくつもあった　後ろめたいと思った
知られたくないことが山ほど　わかってと縋るその裏
さよならをひとりで言うの　涙はもう流れない
今もちょっとだけ残る悔いなど　泡んなれ　酔いに紛らして
ずっと歩いてゆくの　心にまた春が来るまで

きっと　これじゃだめって　ねえ　わかってるけど
まだ　ここにいたいの　でも　ゆるされないの
ほら　時はやがてみんなさらうから　
もう目を閉じても　面影は見えない

戻りたいなんて願った　ばからしくて笑った
手を伸ばしても二度と届かない　でもたぶんそれでいいのさ
さよならをひとりで言うの　涙はもう流れない
胸にちょっとだけ残る苦みは　青白い煙にして吐いて
ずっと歩いてゆくの　心染める夜が明けるまで