奏々 本と栞
群像劇から ふわり 窓に浮かんだ 月
絵に描いたような日は 夏を終えて
まだ入道雲 一つ 後書のように 残っている
どうなっても 良いんだよ
二度と会えなくたって 構わない
「……自分勝手」
君の事を 思い出していた
声が 遠く 聞こえなくなっても 笑ってたんだよ
君みたいに 泣けば良かったな なんて 遅過ぎて
何一つ 譲らないよ
ここが 最初で最後の大舞台で
君が 好きだから
奏々 窓を 開けた
あの透明な 言葉が 胸に刺さっていて
昨日より少しだけ 空を見てた
どうなっても 良いんだよ
二度と会えなくたって 構わない
「……自分勝手」
君の事を 思い出していた
「誰かの為じゃなくたって、生きてたって良いんだよ」
何もかもが モノクロだった世界で たった一つ
蜩は 夜明け前に 蒼く
蒼く 響いて
声が 遠く 聞こえなくなっても 笑ってたんだよ
君みたいに 泣けば良かったな なんて 遅過ぎて
何一つ 譲らないよ
ここが 最初で最後の大舞台で
君が 好きだから
■ひらがな
かなかな ほんとしおり
ぐんぞうげきから ふわり まどにうかんだ つき
えにかいたようなひは なつをおえて
まだにゅうどうぐも ひとつ あとがきのように のこっている
どうなっても いいんだよ
にどとあえなくたって かまわない
「……じぶんかって」
きみのことを おもいだしていた
こえが とおく きこえなくなっても わらってたんだよ
きみみたいに なけばよかったな なんて おそすぎて
なにひとつ ゆずらないよ
ここが さいしょでさいごのおおぶたいで
きみが すきだから
かなかな まどを あけた
あのとうめいな ことばが むねにささっていて
きのうよりすこしだけ そらをみてた
どうなっても いいんだよ
にどとあえなくたって かまわない
「……じぶんかって」
きみのことを おもいだしていた
「だれかのためじゃなくたって、いきてたっていいんだよ」
なにもかもが ものくろだったせかいで たったひとつ
ひぐらしは よあけまえに あおく
あおく ひびいて
こえが とおく きこえなくなっても わらってたんだよ
きみみたいに なけばよかったな なんて おそすぎて
なにひとつ ゆずらないよ
ここが さいしょでさいごのおおぶたいで
きみが すきだから
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