あなたと迎える五月の朝
惰性で続けるドリフティング
適当な相槌の神経衰弱
合わせるだけなら誰でもいいの
「ねぇどこかに連れて行って」
安易に流すエスオーエスはスルー
ベッドを流れるジェリーフロウ
1ミリだって動かない関係

信号待ちのその隙になんとなく小指絡めてみるプレイ
行き交う車を眺めながら何かが起きるのを待ってる
「ねぇ離さないで 握ってよ」
失った熱量とテンプテーション
駅まで続くジェリーフロウ
雑踏で揺蕩う淡い関係

何者でもない焦燥と
何かになりたい願望と
混ざり合ってるの これは恋?
本音を詰めたボトルメール
あなたのためだと言う大義
わたしのためにと言う独善
ぜんぶ海の底沈めちゃおう?
キスで繋いでる瀕死の感情

誰かに撫でられたい素肌
誰にも触れられたくない傷
ねぇお願い 灯りを消して?
されるがまま流される新時代
あなたの身体のずっと奥
わたしを抱き締めてる奥に
隠されている本心はきっと穢れてるの

このまま深く沈んで行く
翠色 包まれて
呟いた告白は揺らいで届かない
あなたの輪郭が水明 溶けていく
零れた泡の粒に紛れ消える

あなたの呼吸を聞きながら少しの間考える
三十年後のわたしの姿は浜辺に打ち上げられた醜態
泳ぎ続けたら死んじゃうの!
その妥協の末のジェリーフロウ
イルミネーションに誘われるままにふわふわ漂う虚ろな身体

助けてつらいの苦しいの!
無神経に毒を滲ませて
そっとあなたの胸をなぞって心拍速める独占欲求
突き刺すの その心臓へ
指先を伝う致死量の感情
やっぱりわたし あなたのこと

透き通るこの手のひらを重ねる度 赤く染まる
あなたの腕に絡みつく糸がまだ外せないでいるの

傷付けるほど寄り添って夜の海を漂って行く
月明り浴びて目を閉じるあなたの耳に囁き続けるの

人波揉まれる改札前
九割消化のスケジュール
帰ろうとしてるあなたを「待って」って無計画に呼び止めてみる
「ねぇわたし あなたが好き」
一切隠さないデクラレーション
背後を流れるジェリーフロウ
ちょっとの無言で測る距離感

溺れたみたいに空気を求めるあなたの反応見殺して
恋人らしく人工呼吸で繋ぎとめてる依存関係
「じゃあまたね」
手を振って別れ歩く先にはジェリーフロウ
浮かんでは消える空気の泡を掬い上げてる

本当はまだ迷ってるの
このままでいてもいいの?って
あなたを信じてないわけじゃなくて
ただ好きだって言って欲しいだけ
一緒に眺めた夜景も花火もわたしを色付けた思い出
わたしは変わった あなたはどう?
無色透明な景色が見えるの?

もしあなたが遠くに行ったとしてきっとわたしも泳いでついて行く
でもできればこの手をとって?
苦しめないように頑張るから
そうしたらわたし永遠の愛を満月映す海に誓うの
ねぇ聞かせて 錆び付く前にあなたの答えを

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

ジェリーフロウ

東北ずん子オリジナル曲「ジェリーフロウ」の歌詞です。
クラゲをモチーフにした、新時代を流される女の子のお話です。

作詞:新橋ユウ

楽曲→ https://www.nicovideo.jp/watch/sm35980005

閲覧数:376

投稿日:2019/11/21 23:38:08

文字数:1,186文字

カテゴリ:歌詞

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