A
君に もらった 心臓が
毒々と 音を 奏でてる
指に 絡まる 残香（ざんこう）が
気まぐれに 僕を 締め付ける

B
「出会わなければ よかった」
とか言うくらい 好きだった

S
終章を 破らないでよ 過去編で済ませないでよ
このままじゃ振り出しに 戻っちゃうじゃないか
叶えたい わけじゃないけど 縋りたい わけじゃないけど
どうしようもないくらい 血液が巡る


A
君を 飾った 額縁が
人工の それを 見つめてる
喉に 詰まった 言の葉が
僕を生かしたり 殺したり

B
「もしも」「あの時」「だったら」
とか言うなら 選んでよ

S
冠を 被せないでよ 茨なら 要らないんだよ
感傷に浸っても 手に入らないよ
終点が わからないから 延々と 折り返してる
あの日見てた泣き顔が 胸を移植した


s
終章を破らないでよ 思い出で済ませるんなら
僕だって心臓を あげたっていいかな
君だけが楽になるとか 許せるわけがないでしょう
どうしようもないくらい 解きようないくらい

僕たちに戻らないでよ 結末は変わらないから
痛みだけ残っても いいことはないよ
終点が わからないから 本懐もわかんないから
こんな歌を書いている 春を通過して