空き教室の窓を開けて白いカーテン揺らした君
理由なんかなくても許される、そんな距離感が好きだったよ
たぶん、僕では君に与えてあげられないものの
その息吹を、この瞬間にもほら、聞いているのさ
「今だけ」って言葉を繰り返している
僕たちは浅瀬で踏みとどまっている
あと少しの時間を延命装置で
永遠に変えてしまえたらいいのにな
そうでなければ深いところまで泳いでゆきたいのに
だって恋は溺れるもの
大嫌いな夏が終わって少し呼吸が楽になる頃
青空とのコントラストで薄暗いこの教室を出よう
蝉の声を聞いていても肌寒くて仕方ない
あの未来に、この瞬間にもほら、触れているから
「今だけ」って言葉を繰り返している
僕たちは浅瀬で踏みとどまっている
あと少しの時間も君のその心
あさってを向いて振り返らないけれど
きっとどこか別の海で溺れているんだろう
だって恋は溺れるもの
今だけ、今だけ、それはおまじない
僕たち互いに呪いをかけ合う
いつか息も絶えるほどの恋に落ちますように
「今だけ」って言葉を繰り返している
僕たちは浅瀬で踏みとどまっている
だけれど今だけは何も言わないでよ
君の次の恋が長続きするよう
少しだけ口を塞いで呼吸を分けてあげたいから
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