吾輩は人である
名前はあまり言いたくない
別に嫌いってわけでもないし
特に好きだってわけでもない
ただ、それで呼ばれる理由
怒りと憎悪と悲哀とそれと?
その他で呼ばれた記憶
それはもう遠い昔
吾輩は男である
普通に学校に通った
普通に勉学に励み
そして女に恋をした
ただ、呼ばれたのは苗字だけ
下は苦笑で誤魔化されて
その次上を呼ばれた記憶
目の前には君の怒りの形相
名前をください 単語よ
僕に合う漢字は どこだよ
意味をください 辞典よ
僕の名前の意味ってなんだよ
所詮この世は意味なんて無くても
成り立つ世界それがココ
でも僕の構成理由を求めていたい
それは駄目なのか?
吾輩は人である
だから哀しい日はあるし
僕が虚しい日だってあるし
君を傷つけた日もあるし
そうして生きて十数年
学校を無事卒業して
微笑んで渡された証書
僕は認めたくない症状
期待なんてさせてくれるな
僕に期待なんて向けるな
散々抑え込んだあかずの間
君は簡単にノックする
君の声なんて聞こえない
聞こえてたまるかよ耳栓
鍵は内側だけどうだ
「ざまぁみやがれ」って泣いていた
もしやり直せるならさ
君が抱きかかえてた猫に
名前も無く薄汚れた猫に
なりたいなんて無理難題?
もし君がこのドアを開けるなら
僕はきっとナイフを持って
心で心を傷付ける
それでもまだ開けるというのかい?
でもこれだけ言わせてよ
「ごめんなさい」
吾輩は人である
名前は”愛”と付けよう
君をちゃんと愛せるように
猫に捧げた愛のように
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