キャンパスと空

作詞：ICO
作曲：ICO

君の手にある　キャンパスの色
綺麗な色が　羨ましくて
僕の手にある　お古の筆は
毛先が開き　ボサボサしてる
それでも僕は必死に描く
掠れた色が　惨めに映えて
君の色に　近づけたくて
絵の具混ぜるほどに
色は　濁る

僕がうまく描けないのは
お古でボロボロの筆の所為
僕の色は　こんな色じゃない！
筆が悪いから　描けないだけ

綺麗な色を　描くために
お金で買った　新品の筆
絵の具も替えて　お古は棄てた
ボロボロなモノ　もう要らないし
周りの人も僕の色見て
羨ましいと　そう呟いた
ピカピカの筆　真っ白な紙
まるで夢の様な
色で　描く

これが僕の本当の色なんだよ
掠れないし綺麗だろ？
新しい筆は完璧だ
どんな色だって　描けるんだよ！

街で偶然君を見かけた
右手にあの日と同じキャンパスが
君の色は掠れていたけど
あの日と同じように
とても　キレイ

左手の君の筆
ボロボロだった
立ち止まる
僕のキャンパスの色は？

掠れていない　完璧な色
この色こそが　僕の色だよ

でも　本当に？
お金で買った　そんな色が
君の「イロ」なの？

あの日の僕は　何を見ていた？
何を想って　何を描いてた？
いつの間にか　自分の色を
塗りつぶして
誤魔化し　生きていた

走る走る　お古の筆棄てた場所
僕自身を棄てた場所
その筆はかっこ悪いけけど
そうだ　それを含め「僕」なんだ

筆を拾い　昔のキャンパス見つけ
そこには掠れた青が
掠れた部分が雲のみたい
空を　知らぬ間に描いてたんだ

君が好きと言った
あの空を