君の声が聞こえないと 不安になるから
君の吐息を感じないと 苦しくなるから
腕の中の 戸惑いがちな視線
その光を 避けるように
背徳の 愉悦(ゆえつ)を 組み敷いた
肌に沿い 伝う雫
宙を掻(か)く 濃い影
夢魔のような その艶(あで)やかさも
娼婦のような その甘やかさも
僕の 心を 狂わせる
浅い息の下 「何故」 と君は問う
見透かされまいと 口付けしながら
「そんな気分」 と嘯(うそぶ)いた
放射状の 傷痕(きずあと)
無意識に 穿(うが)つ熱
悪魔のような その毒々しさも
聖母のような その優しさも
僕の 思考を 惑わせる
ひとときの倦怠感(けんたいかん)に 震える身体
想いの残滓(ざんし)に埋もれて 君は
僕から 瞳を離さない
強く 抱き寄せる
途切れる 声音
気づかないで 愚かな僕に
気づかないで あざとい僕に
自分が 自分を 迷わせる
小声で 囁く君
僕の名を 呼ぶ君
躊躇(ためら)いながらの 抱擁(ほうよう)と
微笑む その唇は
僕の 視界を 滲(にじ)ませる
君と 一緒でなければ
君が 一緒でなければ
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