死神ワイン
嵐の夜を忍ぶように 赤く暖炉の火は揺れる
君の瞳に揺れる炎を とても不思議に感じてる
窓を叩く 風の音が
誰か呼んでる 不意にそんな気がした
ワインを空けたグラスを見つめ 君は優しく微笑んだ
君の瞳に揺れる炎は やがて黒い影に変わり
手足は痺れ 意識は薄れ 呼吸は乱れ 言葉は断たれ
鼓動は乱れ 視界は薄れ 死神が闇へ呼んでる
倒れる様を 君はただ微笑んだまま 見下ろし
限りなく拡がる闇の果てで 祝うようにワインを床に注ぐ
放たれた意思は水面を乱し 波状を幾重にも重ね
年月と共に つのられた罪が 今宵激しく溢れ出す
そして君は 死神にもたれ
耳打ちをする 死神が鎌を突き立てる
死にゆく様を 君はただ微笑んだまま見下ろし
血の赤が拡がる床の上に 遊ぶようにワインの赤を注ぐ
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