ボクの後ろを歩いている
「あなたはいったい誰？」
「ぼくはむかしのあなただよ」
と笑っていったの

いまの自分が嫌いで
昔に戻りたいと願う
そんなことはできない
とわかっていたのに

ボクの背中を押して
小さくつぶやいたんだ
「ぼくのことはわすれて、
でもおぼえていて。」

ねぇ

ボクは今夜、旅に出るよ。
明日の自分に少し近づくために
「昨日のぼく」
がなかないように

前を歩いている人
「私は未来のあなただよ」
「早くそこにいかせてよ」
たった一つの未来に

「ここにくるときそれは
あなたが終わる時」だと
だからボクは追いつかない
ように、走るの。

ねぇ

ボクは今夜、旅に出るよ。
明日の自分に少し近づくために
「今日のボク」
が笑えるように

過去の自分は一人しかいなくて
未来の自分は何人もいるけど
あなたは決して私には（ぼくには）
追いつけない（戻れない）
だから上を向いて
空に向かって飛ぶんだ

この夜空をこえたところに
何があるのかなんて僕には
わからないけど
昔の「ぼく」が背中を押して
未来の「僕」が先を行くから
ボクは助走をつけて　飛ぶよ。