下弦華 解釈

私の恋は、黒潮に乗った温かい風が吹くと同時に終わってしまった。
別れを知ったと同時に、私は子供のように泣いてしまった
どこか遠くで祭囃しが聞こえている。私の気持ちと正反対に真っ赤に染まりながら
そんなに楽しいのなら、歌って踊って私を楽しませてくれないか。
半分に欠けた 下弦の月のような私に。


突然の光と、音に気がついて、目を覚ました
見たことのある、あの高い山。
そして見たことのない、日本刀の様な巨大な建造物  

街を歩いていると、鏡で出来た城に
お勤めをしている人達がいる

みんな、笑いもせず、声も出さず
「あぁ、この人達も過去から来て
過去の世界に笑顔を忘れてしまったんだろう」

動く葛籠 乗る飛脚達     
光る 文箱 頭垂れ     
ひらり 朽ちた 薄衣達   
焼けて 消えた 姫小松    
額に 入りし 鞠つき小人   
世にも不思議なものを見ては、楽しくもあり
同時に寂しくなっていく。鈴の音の様な時間がすぎる世界だ 
昼も 夜も無い 城下町    
そして、ある日突然、月は本来の丸い姿を見せなくなった
半分しかない下弦の月のまま動かない・・・

そして現代から千年前、突然目の前で彼女を失ってしまった男がいた
突然の光と音と共に、神かくしにでもあったように思っていた
「深く愛した君が居ないこの世界なんかに未練など無い、
自分の人生の終わりは、君がいない世界と同時に始まるんだ」

時の流れと風の流れと共に、幾多の儚い恋を見てきた月だが
非情なる思いに動かされ大きな決断を決めることとなった

男は目を覚ました。
目を開くとそこには人知を超えた不思議な世界が待っていた
「そうか、これが俗にいう天国というものなのだろうか
なんだか、鐘の音が聞こえる、僕がここに居られる時間なのだろう」
そんなことを考えていると、彼女の声が耳に飛び込んできた
「私の最後のお願いを聞いて下さいお月様
どうか、私に力を与えて下さい、もう一度あの方に会いたいのです」

千年の時を超えた恋物語を見ていた月は、その願いを引き受けたが
その代償はあまりにも大きく。
月はもう、元の姿に戻らなくなってしまった

時は過ぎ 黒南風なびく全盛の夏

祭りばやしは 彼女の足を止めさせた
響く太鼓は 男の心を揺さぶった
歌え 集え そんな楽しい空気に彼女は祭りに加わった
古来からある太鼓の声は、もしかしたら彼女にも届くんじゃないんだろうか

笑顔になることは、半分に欠けた心を埋めてくれるんじゃないだろうか
二人は、同時にそんなことを思っていた

私の半分の心に 光が灯った
男の思いは 彼女に届いた

そして二人が見つめる長半纏の先に
千年の時を超えて、二人が出会えた

彼女が僕の名前を呼んでいる

時を超えても消えぬ恋

男の声は祭りの音をかき消すように響いた

僕は、彼女の両手を強く握りしめた

鳴子の音は 僕達を祝う拍手のようにも聞こえた

桜はもう散ってしまって跡形も無い、
陽炎にたたずむ、裸の桜の木

祭りばやし
太鼓の音
響く声と
鳴子の響き

そのとき、あの激しい光と音が・・・
二人を包んで黄金色に染めていき

下弦の月は千年の恋と共に
また再び姿形を変えていく
二人の心のようなまんまるい形に・・・

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

下弦華 解釈

オリジナル作品 下弦華の歌詞 解釈です
結構 無理やりなところもあります

閲覧数:165

投稿日:2013/08/03 00:51:24

文字数:1,373文字

カテゴリ:その他

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