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パイロトーシス BPM196
白い部屋に閉ざされた私は
飾られていた花を見つめていた。
誰よりも優しくて温かい貴方を
私は心底好いてしまっていた。
赤黒い液体と落っこちた薬指を見つめる私
痛みを綴った記録に貴方はどんな顔するの
見せてよ
揺れる涙も痛覚も
脳内のバグで慣れてしまっていた
花束のようになりたくて
死して尚愛されたくて
揺らいだ瞳の焦燥は
手放す記憶の終着点
嗚呼
最たる願いも
神頼みじゃ意味は無くて
孕んだ邪念が取り憑いて
身体中に染み渡っていく
生命線を断ち切られた花束さえも
死して尚愛されてるのは何故だろう。
私もそうなりたいと思ったから
深く考え答えを出した。
「忘れないで」
私は呟いた
貴方は少し遅れ返事
まるで呪いのようにずっと貴方を追いかける黄色い目を見ててよ
虚しいほど青い空は
貴方の瞳に似ている気がした
花束のようになりたくて
貴方の頭蓋に染み付いて
落ちてく私の表情は
美しく笑えていたっけ
嗚呼逆さまの世界で最後の願いは叶うでしょう
劈く衝突音と散る花を
忘れないでいて
目の前で散った雛芥子を
どんな思いで見つめているのだろうか。
赤血を纏った黄色い目が
ずっと貴方を捉えたまま離さない。
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