【A1】
砂塵の荒野 翻し ひとり目指す彼方はまだ遠い
心音高らかに 帆はためき 砂漠の海かき分け進む
果て無き白い霧 見失う先 四方は砂の音に囲まれ閉じられ消えていく
ここで命途絶えるのか 囁き惑わす声 傾けてはいけない心両耳を塞いだ
【S】
遠吠え 木霊した 見えない 鳥が空を掠め
舞い散る 聖樹の葉 此処こそ 戦場の大地
【B1】
生まれ落ちたる瞬間我が身だけ 己を武器に進む末路振り返ることも無し
十三の夜を越えて舞い降りる 我が名を呼べよ嘶きと共に真紅の華散る
無数の屍惨劇の跡に 高ぶる心臓を鷲掴んだ傍らの神
背後で嗤う冥界の王君 狂乱と破壊の扉開かれた終末の刻
【A2】
朽ちていく天地に 水の訪れ ひとつの命が守られてしまうでもそこから先
空から潤う流れ 受け止め続けた砂 吐き出すように上下逆さまに降り出した雨
【S】
遠吠え 木霊した 見えない 鳥が空を掠め
舞い散る 聖樹の葉 此処こそ 戦場の大地
【B2】
異形幻影再臨まで近し 闇に落ちる失われた物語其の叙事詩
十三の月を越えて舞い降りる 奏でる旋律の残酷さに悦びを知れ
惑い狂う呻き叫び轟く 満たされた激情に酔い痴れる荒ぶりの神
隣で嗤う冥界の王君 破滅と絶望の扉開かれた終末の刻
【S】
只人 神の前に 彷徨う 魂となるだけ
【S】
群れ為す 獣たち 羽ばたく 鳥高らかに啼く
華咲き 聖樹の実 此処から 戦神の大地
【B3】
僅かな命たちは消え失せた 何もなかった場所から本当に何もかもが
融け落ち剥がれ落ち跡形もない 乾いた風が攫う一欠片すら残さない
誰もいなくなった世界で一人 枯れる事のない慟哭の涙
青い夕映えを見ている情景 遥か彼方に浮かぶ青い惑星と重なる憧憬
……………………………………………………………………(ひらがな)
いくさがみ:たいとる
さじんのこうや ひるがえし ひとりめざすかなたはまだとおい
しんおんたからかに ほはためき さばくのうみかきわけすすむ
はてなきしろいきり みうしなうさき
しほうはすなのおとにかこまれとじられきえていく
ここでいのちとだえるのか ささやきまどわすこえ
かたむけてはいけないこころりょうみみをふさいだ
とおぼえ こだました みえない とりがそらをかすめ
まいちる せいじゅのは こここそ せんじょうのち
うまれおちたるしゅんかんわがみだけ
おのれをぶきにすすむみちふりかえることもなし
じゅうさんのよるをこえてまいおりる
わがなをよべよいななきとともにあかのはなちる
むすうのしかばねさんげきのあとに
たかぶるしんぞうをわしづかんだかたわらのかみ
はいごでわらうめいかいのおうきみ
きょうらんとはかいのとびらひらかれたしゅうまつのとき
くちていくてんちに みずのおとづれ
ひとつのいのちがまもられてしまうでもそこからさき
そらからうるおうながれ うけとめつづけたすな
はきだすようにじょうげさかさまにふりだしたあめ
とおぼえ こだました みえない とりがそらをかすめ
まいちる せいじゅのは こここそ せんじょうのち
いけいげんえいさいりんまでちかし
やみにおちるうしなわれたものがたりそのじょじし
じゅうさんのつきをこえてまいおりる
かなでるせんりつのざんこくさによろこびをしれ
まどいくるううめきさけびうごめく
みたされたげきじょうによいしれるあらぶりのかみ
となりでわらうめいかいのおうきみ
はめつとぜつぼうのとびらひらかれたしゅうまつのとき
ただひと かみのまえに さまよう たましいとなるだけ
むれなす けものたち はばたく とりたからかになく
はなさき せいじゅのみ ここから せんじんのち
わずかないのちたちはきえうせた
なにもなかったばしょからほんとうになにもかもが
とけおちはがれおちあとかたもない
かわいたかぜがさらうひとかけらすらのこさない
だれもいなくなったせかいでひとり
かれることのないどうこくのなみだ
あおいゆうばえをみているじょうけい
はるかかなたにうかぶあおいほしとかさなるどうけい
戦神 (仮)
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