浮き草オブジェ

14作目です。爽やかな青空に誘われて女子会、ではなく…。


誘わなくてごめん　独りになりたかったの
そこそこ長く暮らして物も揃った部屋だけど
自分を惹きつける何かが欲しくて今日は
車走らせ　こんなに遠くまで来てみたの

海の見える高台で見つけたレストラン
小洒落たランチ　ブラックコーヒー
見かけた猫は逃げていく

たぶんね　揺れて見かけを変える
モビールのように自分を切替えたいんだ
その姿が同じでも
だからどんな雑貨店でも見つけられない
笑顔になれる引出し　探してる

知らない道を行く勇気をくれるアイテム
気の合う仲間同士で出かければすぐ手に入れて
他愛ない話も楽しかった思い出になるのだろうと
ため息　独りきりの休日

浮き足立つ自分をどこか遠くから
眺めてみれば雑踏の中　埋もれているだけかもね

ふわふわ　揺れる心はなぜか静まらなくて
形も定まらないんだ　作りかけのオブジェのよう
どんな恋が幸せだろう　ふと立ち止まり
見上げた空は　夕陽に変わってく

キラキラ　街の明かり華やぐ景色は遠く
形も残らない恋を求めていたわけじゃない
ずっと側にいてあげるよとささやかれても
思いは変わる　溶けたアイスのように

誘わなくてごめん　嫌いだからじゃないの
笑顔になれる引出し　自分で見つけたくて