{ミク}
入相(いりあい)過ぎし 境内(けいだい)に
谺(こだま)してゐる 数え唄
境(さかい)の消えた 青葉闇(あおばやみ)
跳ねる鞠の音(ね) てんてんと
{ルカ}
顔も判らぬ 黄昏に
あなたの隣は 誰そ彼?
{ミク}
ゆらり揺らめいた 狐火は
蝶(てふ)を誘いては 惑わせる
声を枯らして 叫ぶとも
告げられし言ノ葉 届かない
{ルカ}
(この手に触れた 脈動は
静かに波打ち 消えてゆく
この手に残る 温もりは
あえかな私を 苛(さいな)ます)
{ミク}
月の隠れた 宵の淵(ふち)
暗闇充ちる その奥に
微かに響く 鈴の音は
誰の帰りを 待ちわびる
{ルカ}
切り絵のような 片蔭(かたかげ)に
潜む姿は 誰そ彼?
{ミク}
ゆらり揺らめく 狐火は
蝶(てふ)を誘いては 迷わせる
頬を濡らして 叫ぶとも
愛しき姿 何処(いずこ)へと
{ルカ}
一つ数えて 遠の涯
二つ数えて 繭篭り
三つ数えて 羽をもぎ
常磐(とこいわ)願いて 奉(たてまつ)る
{ミク}
ゆらり揺らめく 狐火は
やがては蝶(てふ)を 焼き尽くす
独り残されし 空蝉の
世は常(つね)なしと 知るものを
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