睡眠ナトリウム

コーラルピンクの指先で
酸っぱいドロップをつまんだ
これはビー玉みたいに綺麗じゃない
私の瞳の水晶体みたいだ

あの深海魚は不眠症
冷たいエモーションに溺れて
息は水滴みたいに不安定で
猫目を縁取る青い睫毛が震えた

もしも私が幸福に盲目だったのなら
どれだけ楽に呼吸できたのだろう
透明な優しさはどこ


どろりとした睡眠に
ナトリウムぼろぼろ
大人になるのはまだ早い
白い欠片がもやもや光った



サーモンピンクの爪先で
尖ったパフュームを倒した
これは悲しさみたいで好きじゃない
私の瞳の水晶体に痛い

あの渡り鳥は拒食症
激しいエンプティに気づかず
夢は酸化して錆び付いたまま
猫目が伏せられ青い睫毛が滲んだ

もしも私が幸福に盲目だったのなら
どれだけ上手く涙できたのだろう
曖昧な優しさはどこ


どろりとした睡眠に
ナトリウムぼたぼた
大人になるにはまだ足りない
淡い欠片がちらちら光った



もしも私が幸福に盲目だったのなら
どれだけ楽に生きてゆけたのだろう
単純な優しさはどこ

優しさはどこ