僕と君との春の青

君と藍を植える
被せた土踏みしめ
畑には緑がまた増えてく
窓からあいうえお
子どもの声響く
声の数今年もまた減ったな

一面に広がる空の下二人
黙々と五寸弱の苗植えていく

「ねえ、あの日話したことだけど」
「何のことよ」
「僕ら二人で幸せ染めよう」
「喜んで」
二人寝せ込みして深い藍へ堕ちてゆく
染める色は僕ら次第だ

硬くしっかりした
葉っぱに育っている
株元に土寄せて肥やしを撒く

逞しく凛々しい
大きな鯉幟
蒼天を優雅に泳いでいる

遠くまで伝える愛の気持ち
ほら響いてる
君の世界へ溶けていく

「ねえ、あの日約束したことだけど」
「何のこと」
「僕ら二人で希望を染めよう」
「何それ」
君と過ごす日々は青春より濃い色で
藍に春でアイハルかな

雨が降る日々が続いても僕らは
乗り越えて藍のようにより恋して

「ねえ、初めて話すことだけど」
「何の話」
「君と出逢えて良かったよ」なんて
「こちらこそ」
君と過ごす日々は青春より濃い色で
藍に春でアイハルだな

僕らの色
何度も染めあげ
より深い藍にしよう