脳に絡みつく甘い腐臭が、御前様の面影を遠ざけてしまう。
私はひとりで虚無の庭から、曖昧模糊歪む世界を夢想している。

燃えるスペクトラ、チャールストン。滲む赤の残像が掻き消してしまう。
殺すのは理性。残るのは何?傷む薔薇の幻想に霞んで見えない。


かつて愛は御前様の姿をしていた。
かつて此処は薔薇の咲き匂う庭だった。
そしてそのいずれも、いつの間にか姿を変え、酷く醜いものに成り果てた。



狂おしく舞う火だるまの蝶。螺旋描き暗涙の灘に沈み行く。
私の理性は饐えた徒花、薔薇の檻の幽囚にすぎないと。


かつて愛は御前様の姿をしていた。
かつて此処は薔薇の咲き匂う庭だった。
そしてそのいずれも、いつの間にか姿を変え、酷く醜いものに成り果てた。

甘い腐臭が、脳に絡みつく。

ライセンス

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或る愛の死

歌詞中のスペクトラとチャールストンというのは薔薇の品種です。
どちらも花びらにだんだんと赤が注してきます。

なんとなくルカのイメージです。

閲覧数:138

投稿日:2012/01/24 23:28:06

文字数:340文字

カテゴリ:歌詞

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