午後3時 ホームルームが終わって
友人達は談笑を始めた
ただ一人帰り支度する僕を
「どうしたの?」
君は呼び止める
「何でもないよ」肩を竦(すく)めると
「付き合い悪いな」そう言われた
「そうかな」いつも通りを装って
僕は教室を出た だって
「明日世界が崩壊します」
なんてね 言えるわけがない
止まらない自己嫌悪だとか
そんなものなんてとっくに投げ出してる
午後10時 スマホでチャットを見つけて
「もし世界がなくなったらどうする?」
そんなコメントに僕は一言だけ
「見捨てる」今の気持ちを吐き出した
「ひどいな」すぐに返ってきた言葉
冷めた目でそれを無視した
「明日さ…」君がかけてきた電話を
なにも聞かずに切った だって
「明日世界が崩壊します」
なんてね 知ってるはずがない
「僕は誰も救えないんだ」
思いつくままに たわ言を呟いた
『速報です。
今日午前11時にA市の市民が全員亡くなりました
死因は不明です。
現在警察が原因を……』
「今日僕の世界が壊れました」
なんてね 涙をぬぐう振り
動かない君を抱き寄せて
「今日僕は世界を壊しました」
なんてね 誰も知らないんだ
止まらない自己嫌悪だとか
そんなものなんてとっくに投げ出してる
『次はどこに行こうかな……?』
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