憧れも忘れ去る速度で僕だけ大人になっていくのだろう
人をした分だけ歩いた果て 影だけが背丈を伸ばして
体温も通過する温度でいつかは言葉になっていくのだろう
何を失くした? それさえ知らないまま まだ夏は終わりも見せずに
息を止めても届かないから 歌を書いても敵わないから
透明な何かを探していたんだ
心如きまるで及ばないまま 君の肩で夜は疼いていた
その歯車を壊す声になりたい あの日の10時に僕がいる
見風乾の景色に暮れ惑い 燃える方角に転がる僕ら
もう動けないことを言って欲しかっただけ 君と夕日をずっと見ていたかった
息を止めても分からないまま 歌を書いても聴こえないまま
終わりの向こうを探しているんだ
詮もない中雨は続き 夜の肩で君は言葉になる
でも歯車を壊す声を探して あの日の背中を今も見てる
僕も経路の上 ダイヤグラムの下 雨粒みたいにただレールを打つだけ
百合ヶ丘 クリーニング屋 坂を下る 耳を塞いでも響く 陽炎 蝉時雨
息を止めても届かないのに 歌を書いても叶わないのに
今も聴こえる 夏の波音
息を止めても分からないなら 歌を遺して空に沈みたいから
透明な何かを探していたんだ
僕の声如き何になった? 夜の雨に君が融けてゆく
この歯車を壊せないまま あの日の10時に僕はいる
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