Is it Mr.Kevin?


「まるで人間みたいですね」と不完全なものを傷つける
そんな誉め言葉聞き流したナニモノかは夜に考えた
ああこの手も目も耳もヒトだ
左脳じゃ理解はしていますが
定義を一つ一つ並べても
同じ気持ちになれはしない

憑りつかれたみたいに同じ時間に魔法のスープを飲むの
内緒にして加えたアスパルテームも酸味の効いた嘘でした
”不完全”の化けの皮がぱら　ぱら零れる有様を
瓶の底に沈め嗤ってた


貴方の”好き”になんてなれないや
息をするのももう面倒で！
せめて好きに叫ばせて
さああなたなにができますか？
たまには壊れていさせてよ　夢だけ見てるドールのように
嘘も何も知らなくてよくて
るらはらこぼれて電池が切れた今


午前は道徳の時間です
それから昼食を500ｇ
紅茶のシュガーは3ｇと
何かが欠けているプログラム
ああ今日も生きてる素晴らしい
心臓を動かせる貴方はまるで人間みたいに泣いてる
同じ気持ちになれやしない

憑りつかれたみたいに同じ声で魔法の言葉を歌うの
「おやすみ」
「おはよう」
「ごめんね」
「……ごめんね」

言いたいことは別にあるでしょう？
抱きしめる腕も慰める辞書も僕に与えずに一人で逃げて本音も心も飲み込んでしまうそんな貴方がただただ狡い

人の心も知らないで


貴方の”好き”になんてさせないよ
ひとり落ちてく予定でしょう？
せめて今日も問いかける
「さあぼくになにができますか？」
お好きに壊していいんだよ　誰もそれを咎めやしないから
終末の音なんて忘れて　目も耳も塞ぎ振り子を止めて　今

貴方の疲れて脆くなったからだでは
溺れ　喘ぐ雛鳥すらも
すくえないから共に沈んだ
傷跡を消すことできてもそれを”なかったこと”にできないことを
知ってしまう

貴方の”すき”になれやしないけど
息を止めても繰り返しても
何度継ぎ足してもまだ　指先は届かないな
この声は借り物だけれど
機械は嘘を思いつけないから
し　あわせでした　で　いいの


そろそろおきてよ　わたしの貴方の欲しがってた”にんげん”は
不格好で不完全で
だけどひとつ教えましょう
「うまく　わらえていますよ」

人形は壊れて動かない
役目を果たした記号のように
これで　ぼくも　あなたも　しあわせ！

はらはら零れた涙をぬぐいましょう！