
ともに月を望みし君よ いまはいづくぞ
頼りなき夢の通い路をひとり待宵の草
あわき光いざなうはすだれの先
風は子守唄 眠れ、恋心
約束は水面にうつる月影
指で追えば崩れゆく、たやすくも
遠き月を望みし君よ いまはいづくぞ
呼び声に幾夜寝覚めてはうつつに君は見えず
思うほどに満ちゆくはむなしき息
胸のくるしさは膨れ紙風船
水底に沈める、願い、心
白波さえ立たぬ淵に深く、深く
同じ月を望みし君よ いまはいづくぞ
かたみに残した盃を濡らす雨、空知らず
約束は水面にうつる月影
指で追えば形くずれ、消えてゆく
遠き月を望みし君よ いまはいづくぞ
涙川枕流れては夢も定かならず
ともに月を望みし君よ、いまは…
たよりなき夢の通い路にひとり待つ忘れ草
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