この夏にあなたはいない
この夜にあなたはいない
存在も与えられた眼も
干渉も溶け始めた空も
今は全てほっといて

飲みかけのサイダー
冷えた飲み口が音を立てた
言えずに残った
言葉と一緒に飲んでしまった

真夜中に咲いた花火に
永遠を望んでいたのは
空の両手のせいかな

まだまだ終わりたくないな
端から知っていたんだ
まだまだ理想像なんて
嘘みたい馬鹿みたい

あなたが描いた愛が
流れて消えてしまった
この悪天候のせいかな

この夏にあなたはいない
この夜にあなたはいない
外傷と生まれたてのエゴ
何万と繰り返した空も
今は全てほっといて

空の瓶サイダー
淡い透明が音を欠いた
言葉を描いた
瑣末な想像に酔ってしまえば

真夜中に嗅いだ夜に
鮮明にあなたを想った
風は夜を迂回した

まだまだ終わりたくないな
端から知っていたんだ
ただただ理想切って貼って
異常それ以上

あなたが抱いた愛が
僕には触れなかった
そちらはどうか愛まで

この夏にあなたはいない
この夜にあなたはいない
想像と違う熱を得よう
燦々と歌う君よりもずっと
今は全てほっといて

そして私は夜虫になって浮かぶ
花の様な光に誘われて消える
錯綜の視界であなたを探す

この夏にあなたはいない
この夜にあなたはいない
存在も与えられた眼も
干渉も溶け始めた空も
今集めて

この夏にあなたがいない
この夜にあなたがいない
外傷と生まれたてのエゴ
何万と繰り返した空も
今は全てほっといて