巡りゆく季節のそのなかで
過ぎ去った季節のその向こうで
思い出す貴方のその笑みは風に溶けて消えていく
すくい上げた光が零れる
夏に向かうあの花のように
ひとかけの涙が落ちてゆく
冬を去りぬあの花のように
貴方がくれた白詰草の冠はいつか解けてしまう
形あるもの 朽ちてゆくもの
その刹那の中歌を馳せる
日は沈みまた昇っていく
眩しすぎて目がくらむような
思い出さえ風に曝されて
いつの日か崩れ去ってしまうのか
失くしたくないとただ祈った
また教えてよ
この感情に何という名前があるのですか
今はただ貴方のその笑みに触れていたい
届くことのない願い
過ぎてゆく今日が髪を撫でる
春を彩るあの花のように
幾度も目が合ってはすれ違う
秋に香るあの花のように
「貴方と出会えて幸せでした」
終ぞ伝えられませんでした
叶うならどうか届いてほしい
願わくばその声で応えてほしい
風は過ぎゆく 花は散りゆく
雪は解けゆく 月は翳りゆく
光を閉じて揺らぎに身を委ね流るるままに揺蕩う
星霜のなかただ貴方を
はじめて触れたそのやさしさも
貴方がくれたそのぬくもりも
貴方が心と呼んでくれたそこに
ずっとしまっておくよ
永久の想いを風に乗せ彼方空に届きますように
ねぇ、私いま歌っているよ
貴方には笑っていてほしいから
00:00 / 03:55
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想