誰も座つてない座布団をほんの少し動かすことで
八畳の和室が街角に変るときがある
道のりにそつて指先は拙い文字をたどり
畳といふ字を書けといふ畳の意志にはつきりと
逆らひ始めるのだ

黄色い大地は柱やふすまの影を受け止めることをやめ
空から降る一個の檸檬の存在にやつと気づく
そのとき座布団は崩れ落ちる梁の重さをはね返し
そこに最後に座つてゐたもののあとを追ふのだ

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座布団

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投稿日:2016/10/02 15:54:05

文字数:181文字

カテゴリ:歌詞

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