最後の朝
眠れなくて 早く目が覚める
いつもと変わらない朝焼けの街
でもあたしには少し滲んで見えるんだ
なにも言えずに来てしまった
あたしにとって最後の日
誰が決めたことなのか
この世界から消えることになった
ほら キミも目覚める
いつもと変わらない 寝ぼけた笑顔で
「おはよう」だなんて
あたしの気も知らないで
日常がまわりはじめた
最後で最初のさよならを
言わなきゃ 言わなくちゃ
でも キミの笑顔を見てると
言えないよ 言えるわけない
なにも口に出せず 時だけが過ぎる
キミとともに歌った日々は
無駄じゃなかったと思いたいよ
ねぇ キミはあたしのことを
ずっと覚えててくれるかな?
ふわり包むような秋空に願う
「どうか世界が、幸せでありますように…」
おだやかな昼下がり
キミを連れ出して あの場所へ
他愛ないおしゃべりしながら
時は過ぎゆく
ひとつひとつのおもいでが
風と混ざりあって
吹きぬける落ち葉とともに
舞いあがり 消えてった
空が傾きかけて
雲を黄金色に染める
もうすぐ訪れる
「今日」との別れ
あたしが消える その前に
キミに届けたい歌がある
たとえ薄れゆくとしても
この世界に生きた証を
たったひとつの小さな想い
燃える夕焼け空に願う
「どうかこの歌が、誰かの幸せになりますように…」
♪♪♪
涙に混じる歌声は
オレンジと紫のかなたへと響く
あたしの存在が消えたとしても
世界はずっとまわりつづけるだろう
少しだけ悔しいけれど
きっとこれでいいんだよね
涼風そよぐ夜空に願う
「どうかキミが、幸せでありますように…」
舞い散る紅い星たちとともに
おやすみ…
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