引き裂かれて、半身を失う
心がからっぽになった気が。
片翼では飛べないんだもの
ごめんなさい、ごめんなさい

引き裂いたのは他でもないわたし
引き留めたのは他でもないかれ
作り物の翼で空を飛んで
偽りの快楽だって構わないよ
借り物の翼で空を飛んで
自己満足だって知ってるけど

耳元で甘く、悪魔が囁く
心がはいいろになった気が。
片翼では飛べないだろう？
ごめんなさい、ごめんなさい

引き裂いたのは他でもないわたし
引き留めたのは他でもないかれ
作り物の笑顔で近づいて
偽りで同情だって構わないよ
借り物の翼で空に舞って
自己満足だって知ってるから



―わたしが地に降りると、彼はまだ眠っていた。
待ってるのに疲れちゃったのね。しかたないわ。
彼は赤い服を着て、ぐっすり眠っている。
再び空に舞い上がってから、ふと気付いた。
あら？そういえば彼、赤い服なんて持ってたかしら―



まあ、いいわ。

引き裂いたのは他でもないわたし
引き裂けたのは他でもないかれ
借り物の翼で空を飛んで
返す相手はもういないのだけど
借り物の翼で空を舞って
やっぱり上手には飛べないから