ヒトリヨノクレオニゴ

またね　そう、またね　手を振っていた
あのこの影が　寂しそうに消えてゆく

暗くなっても帰らない　心配なのよお母さん
「私が行くよ」　夜のまち

不気味な黒が迫りゆく　鬼さんこちら
誰かの声が聞こえたの　後ろの正面だれ？だぁれ？

手がかり探し　あのこを探し　歩き出す

それはダメ　掴まれてた手が　誰もいなくて　
足跡だけ見えない誰かが　いた
振り払い走る　暗い森には出口もなくて
逃げられないの

おはよう　ねぇ、おはよう　昨日と同じ　
あのこがいない　探しに行ってくるから

壊れかけのお地蔵様　朽ち果てたお社の隅
隙間からそう、のぞいてる

あのこの名前示す先　忘れちゃダメよ
遠い昔のお約束　小指と針飲み千本

忘れてたのね　残念終わり　こっち見て？

やめてもう　なんで痛いのよ　これは夢でしょ
怖い夢なの　早く起きてよ
あぁ、あのこが笑って　泣いているのに
伸ばした手が届かなかったや

おはよう

これが最後の悪夢だと　もう戻れない
あのこの元へたどり着く　赤く染まった細い道

この先で待つ　約束の場所　歩き出す

「さみしいよ」　手招く木々たち
ずっと待ってた　会いたかったの　あの日から
約束　遅れちゃったけど
迎えにきたよ　もう帰ろうよ　おかえりなさい