百年前も 百年先も
千年刻が過ぎても
覚えている この樹の元に
埋まっている 千歳の恋を
仮の世の定めと 知りながら
強く引き寄せた
舞い落ちる 粉雪 眩きは
望月にも過ぎて
美しいもののみ 許された
天の御所に
無邪気な疑いの ほころびは
人の世へと向かいて
愛おしきは 逢い見る前の
若葉のような
天つ人に 焦がれる君は
いらない
百年前も 百年先も
千年刻が過ぎても
覚えている あの樹の元に
埋めてきた 千歳の恋を
十四の細き首
まだ知らぬ 熱き懐に
やわき髪 埋めて
つぶやくは
恋の象形にもなく
愛おしきは 触れる前の
青梅のような
許されるをまさぐる
君はうたかた
うつろう里が 変わり果てても
遥か永久の都で
覚えている あの樹の元に
埋めてきた 千歳の恋を
あめつちの恋
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